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年末調整の方法・種類・保険・住宅ローン

年末が近づいてくると会社から提出を求められる「年末調整」

今回はそんな年末調整についてまとめました。

 

年末調整とは?

会社が給与を支払うときに、従業員の給与や賞与(ボーナス)から所得税を徴収することが「源泉徴収」です。本来徴収すべき所得税の一年間の総額を再計算し、源泉徴収した合計額とあらためて比較することで、「過不足金額」を調整することが「年末調整」です。仮に余分に源泉徴収をしていた場合、その差額は従業員に還付される、という仕組みです。

年末調整の種類

毎年、11月~12月ころになると勤務先から年末調整の用紙が配られます。
この年末調整の用紙は、基本的に3種類(平成30年分より)あります。

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

・給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

・保険料控除申告書

住宅ローンを組んでいる方は

・住宅借入金等特別控除申告書

も必要となります。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

所得税や住民税には、扶養控除といって、収入を得ている人が家族を扶養していると、その扶養家族に応じて税金が安くなる制度があります。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、その扶養家族について申告するための用紙です。扶養家族がいない人でも提出は必要です。

給与所得者の基礎控除申告 兼 給与所得者の配偶者控除等申告 兼 所得金額調整控除申告

「○年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」です。この用紙は平成30年から新しく加わった「○年分 給与所得者の配偶者控除等申告書」に、令和2年の所得税の基礎控除・給与所得控除の改正等にともなう記入欄が追加され改訂されたものです。

ちなみに、、平成30年の配偶者控除および配偶者特別控除の控除額の改正により、一般的な会社員であれば、以前いわれていた配偶者の103万円の壁が150万円に引き上げられました。

 給与所得者の保険料控除申告書

この用紙は、平成29年までは配偶者特別控除の申告も兼ねていましたが、
平成30年からは配偶者控除等の申告が別の用紙となり、保険料控除についての申告だけになりました。

所得税や住民税には保険料控除があり、収入を得ている人が生命保険や地震保険の保険料や社会保険の保険料を支払っていると、その支払保険料の金額に応じて税金が安くなります。その支払保険料について申告するための用紙です。

住宅借入金等特別控除申告書

住宅借入金等特別控除申告書とは、住宅借入金特別控除を受けたい時に必要となる申告書です。「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」などの書類をもとに作成します。
住宅ローン控除の適用を受けるためには、1年目は、給与所得者(サラリーマンなど)も確定申告が必要です。給与所得者は、2年目以降は必要書類を提出すれば年末調整によって控除を受けることができます。

年末調整の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

パートなどで働いていない扶養家族がいる場合に記入するものになります。

扶養控除の対象範囲としては配偶者と扶養親族になります。

配偶者は所得が38万円以下の場合に配偶者控除を適用できますが、38万円を超えると適用できません。所得が38万円を超えると配偶者特別控除の適用となり、年末調整で所得控除をされます。

配偶者特別控除の場合は、記載書類の違いと所得の増加で段階的に控除額が減少していく点に注意が必要です。なお、配偶者控除は38万円となりますが、70歳以上になると48万円となります。

扶養親族

扶養親族とは、その年の12月31日で、次の要件の全てに当てはまる人となります。

    • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人。
    • 納税者と生計を一にしている。
    • 年間の合計所得金額が38万円以下である。

(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないまたは白色申告者の事業専従者でない。

給与所得者の基礎控除申告 兼 給与所得者の配偶者控除等申告 兼 所得金額調整控除申告

令和2年より大幅に変更となりました。
配偶者がパートなどで所得が133万円以下の場合は記入が必要です。

所得税の「基礎控除」の改正、「所得金額調整控除」の創設の影響で、

①基礎控除申告書
②配偶者控除等申告書
③所得金額調整控除の申告

という3つの申告書が、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」という1枚の用紙に集約されたかたちになります。

1.「基礎控除」の欄は年収2000万円以上の人が対象となり、ほぼすべての人が対象になります。記入上の注意点としては、自分で「収入金額」から「所得金額」を求める必要があります。

2.「配偶者控除」の欄は、配偶者がいる方で、配偶者控除、または配偶者特別控除を受ける方です。
配偶者控除、配偶者控除特別控除を受ける条件は次の通りです。

配偶者がパートタイマー等の働き方をしている場合は、収入を確認してみてください。
該当しない場合は、記入する必要はありません。

【本人の収入条件】所得が1,000万円以下
且つ
【配偶者の所得】
・48万円以下(給与収入103万円以下)→ 配偶者控除
・48万円超133万円以下(給与収入103万円超201.6万円未満)→ 配偶者特別控除

3.「所得金額調整控除申告書」の欄は、給与収入が850万円を超える方で、
下記要件のいずれかに当てはまる方が対象となります。

a、本人が特別障碍者
b、同一生計配偶者が特別障碍者
c、扶養親族が特別障害者
d、23歳未満の扶養親族がいる

令和2年(2020年)から給与所得控除額が改正されて、給与収入850万円を超える人は増税となります。
しかしながら、扶養している子どもがいたり特別障害者がいたりすると負担が大きいので、増税分を調整するために新設されました。

給与収入が850万円以下の人は、この部分の記入は必要ありません。
ちなみに、こちらに記入がある場合、基礎控除の計算は会社(勤務先)が行います。

給与所得者の保険料控除申告書

生命保険、地震保険等の各種保険料控除について記入するもとなります。

用紙は「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」を申告するパートに分かれています。

生命保険料控除

生命保険料控除は生命保険料を支払った場合に適用する控除です。一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料に区分されていて、それぞれの控除額を計算します。

所得税の控除額は、1つの区分につき最高4万円で、3つの区分の合計は12万円までです。

必要書類は生命保険会社が発行した保険料控除証明書になります。(郵送で届き、書類の呼び方は保険会社によって異なります)

地震保険料控除

地震保険料控除は住んでいる自宅や、生活用動産保険の目的とする地震保険料を支払った場合に、適用することができます。地震保険と一緒に支払っている火災保険は対象外です。

旧長期損害保険料の対象の保険を保有しているなら、この場所に記載します。

控除の金額は、地震保険料の全額(最大控除額は5万円まで)

必要書類は、損害保険会社などが発行した証明書類

【書き方】

保険会社の名前や保険の種類などを転記します。そのあと、地震保険料と旧長期損害保険料の金額を書いて、控除金額として合計金額を出します。

社会保険料控除

社会保険料控除は、給与所得者本人または生計を一にする配偶者と、その他の親族の社会保険料(国民健康保険料、健康保険料、国民年金保険料、厚生年金保険料、介護保険料など)を支払った場合に対象となります。

控除の金額は、その年に支払った社会保険料全額

給与から天引きされている社会保険料を記載する必要はありません。扶養配偶者・親族の分を代わりに支払っている場合などの金額を記載しましょう。全額が控除の対象となります。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済と言われる個人事業主などが退職金積み立てなどを目的として加入する共済制度の掛金の控除が受けられる制度です。個人型確定拠出年金(通称iDeCo イデコ)もこの控除の対象です。支払った掛金の合計金額全てが所得控除の対象となります。

対象は小規模企業共済、確定拠出年金、心身障害者扶養共済です。

控除の金額は掛金の全額

【必要書類】

それぞれの機関が発行した証明書類

・小規模企業共済掛金払込証明書

・小規模企業共済掛金払込証明書 確定拠出年金(個人年金型)

・掛金払込証明書

などです。

年末調整の住宅借入金等特別控除申告書

住宅借入金等特別控除申告書とは、年末調整の際に住宅ローン控除の適用を受けたい従業員が提出する申告書です。
サラリーマンは原則として確定申告をする必要はありませんが、住宅ローン控除を受けようとする最初の年には確定申告をする必要があります。翌年からは年末調整で引き続き控除を受けることができます。
※個人事業主などは、2年目以降も確定申告をする必要があります。

なお、年末調整で控除を受けたい場合には、住宅借入金等特別控除申告書の他に以下の書類が必要です。

① その従業員の住所地の税務署長が発行した「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
② 借入等を行った金融機関等が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」

 

年末調整の変更点

令和2年の年末調整から以下の変更点があります。

1.給与所得控除の引き下げ

2.基礎控除の引き上げ

3.所得金額調整控除の創設

4.配偶者控除、扶養控除などの合計所得金額要件の見直し

5.未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し

控除の金額が全体的に低くなっております。

詳しくは国税庁のホームページを参考にしてください。

https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index/01.htm