KINTO(キント)は高すぎる?メリット・デメリットを徹底解説
ファミリー層を中心として知名度が高くなっている「KINTO(キント)」は、トヨタのサブスクリプションです。
最近しばしば耳にするサブスクリプションですが、
車も所有する時代からサブスクリプションで利用する時代に変化してきています。
イニシャルコストとランニングコストを抑えられてトヨタの新車に乗れるため、検討している方も多いのではないでしょうか。とはいえ新車を買うより高くつくのでは、どんな車に乗れるのか、使い勝手はどうなのかなどといったさまざまな疑問点があります。
今回はKINTOを利用すべきかを判断できるように疑問となっている点を解決することによって、本当に高いのかということからメリット・デメリットまでを丁寧に解説していきます。是非ともチェックしてみてください。
KINTOとは
一言でいうと、トヨタ・レクサスに特化しているカーリースで、基本情報は以下の通りとなっています。
- 選べるリース期間 トヨタ車:3年・5年・7年
- レクサス車:3年
- 選べる車種: トヨタ車・レクサス車
- 月々の支払いに含まれる費用:車両代金・カスタマイズ代金・税金・メンテナンス費用・車検費用・自賠責保険料・任意保険料
- 月々の支払いに含まれない費用 ガソリン代・高速代などの通行料・駐車費用など
- 走行距離の制限:1500km✕リース月数
- 月々支払いの最安値 33,000円(ルーミー7年契約のボーナス払いなし)
- ボーナス支払い 利用可能
ひょっとすると、他のカーリースが優位性を持っているのではないかと思ってしまうかもしれませんが、上記の表からは認識できないようなたくさんのチャームポイントがあるKINTOなのです。
人気のカーリースのひとつであるKINTOが、どういったサービスであるかを詳細に解説していきます。
kinto公式サイト
https://kinto-jp.com
KINTOの仕組み
KINTOとは、月額料金を支払うことによって車を利用できる「車のサブスクリプション」です。車離れが深刻化している現状において、幅広い世代の人が手軽に車を利用できるようにトヨタから提供されています。
頭金が不要で、月額料金の中に保険・車検・税金・メンテナンス費用が組み込まれているのです。
車のことがよく分からない、まとまったお金を用意できないといった人でも初期費用が0円で気軽に車を利用できることが特徴で、複雑な手続きをする必要がありません。
残価設定ローンとの違い
残価設定ローンとは「車を購入する場合のローン契約」のひとつです。
「残価」とは「契約が満了した時までに残存した価格」のことです。
残価を差し引いた金額でローンを組むこととなるため、一般の自動車ローンと比べて毎月の支払い金額が少なくなるといったメリットがあります。
しかし残価を差し引いた金額で設定されたローン金額では、期間内にすべてを払い終えていない状態です。そして、契約が終了した後には主として3つの選択肢から支払い方法を選択できます。
- 残価設定ローンの契約が満了した場合の選択肢
a.ローン契約が満了した際に、支払いきれていない残価を支払うことによって、車を買い取る
b.残価を支払わずみ車を返却する(傷の度合などによって清算が必要となるケースがある)
c.支払いきれていない残価で再度ローンを組む形で車に乗り続ける
例えば300万円の車を月3万円✕5年の契約をしたとすると、5年間支払うことによって、トータル180万円を支払うことになります。しかし残りの120万円の支払いが残ってしまうため、この時点において車の所有権はまだローン会社が持っているのです。
契約が満了した際に、残価として残った120万円をどのようにするかをセレクトすることになります。a.のケースでは120万円を支払って購入、b.のケースでは残価を支払わないで返却、c.のケースでは再度ローンを組む方法です。
そのうえ残価設定ローンはローン扱いとなるため、車検・税金といった諸費用については別払いとなります。それによって車が最終的に所有権が手に入らない可能性があり、車検・税金といったメンテナンス費用は別途用意する必要があるのです。
残価設定ローンは車を最終的に購入するといったゴールを設定して、なおかつ月々に支払う金額を安価で済ませたい人に向いているのです。そのため、決められた期間で車を利用するといったカーリースとは仕組みが異なっています。
カーリースとの違い
KINTOはリース契約となるためカーリースで、一般的なカーリースと同様に残価が設定されています。しかし、一般的なカーリースと異なっている点は残価を精算する責任がユーザーにないことです。
KINTOの残価設定は一般的な残価設定とは異なり、クローズドエンド方式となっているため、リース契約が満了した際に設定された残存価格と実際の評価額との差額を精算しないリース商品となっています。
端的に言えば、ユーザーは残価を気にせずに残価を差し引いた価格分のみで利用できるため、安く・気軽に乗れる仕組みとなっているのです。
それに対して、残価設定ローン・カーリースといった多くの商品においてはオープンエンド方式が採用されています。この場合、残価は契約する際に開示され、契約が満了した際に残価と実際の評価額との差額を精算する義務が契約者に生じるのです。
つまり、オープンエンド方式では残価が高額であった場合は、却って契約者にとっては不利となる状況になってしまう可能性が秘められています。
KINTO月額料金の内訳
カーリースは利用するサービスによって料金の内訳が異なってくるため、とあるカーリースではメンテナンス費用込みだが、他のカーリース会社ではメンテナンス費用が追加オプションということがよくあります。
以下で、月額料金にはどういったものが含まれているかを詳細に見ていきましょう。
車両代金
どういったカーリースでも、車両代金が支払い金額に含まれていますが、KINTOも例外ではありませんので安心してください。オプションについては、具体的に下記に挙げるようなものがあります。
●ETC
●カーナビゲーションシステム
●バックカメラ
●自動バックドア
●フロアマット
●ムーンルーフ
●踏み間違い防止ブレーキ
車種によって設定されているオプションは変わってきますので、リースをしたい車のカタログで確かめておきましょう。こういったオプションを装着しても、毎月一定額の支払いとなるため、初期費用として大きな出費となることはありません。
任意保険
カーリースはほとんどの場合、毎月の支払い額に自賠責保険料が含まれていても、任意保険料が含まれていることはありません。その結果、リース費用の他に任意保険の費用が発生することになります。
しかし毎月の支払い額に任意保険料が含まれており、車両保険にも加入しているため、かなりお得感があります。特に若い20代の方・非ゴールド免許の方は保険料が高くなってしまいがちですが、お得に利用できるのです。
また保険会社は業界大手の東京海上日動となっているため、補償の内容についても心配はいるません。このように任意保険料も内包されていることによって、月額トータルの支払額は他のカーリースと比較して非常にお得となっています。
メンテナンス費用
車を利用する機会が増えるほどに、故障が発生することや消耗品の交換が必要になる場合が多くなります。そういったときに必要となってくるのがメンテナンス費用です。
予算を組んでいたとしても、他にも不具合が見つかってしまい、想定していたよりも修理費用が高額となってしまうこともありえます。しかし、メンテナンス費用も毎月の支払いに含まれているため、想定外の支出があった場合に備えられるのです。
車検費用も月々の支払いに含まれています。車を安全に管理するために必要となる費用が料金に含まれているため、予期せぬ不具合が発生しても大きな支出で心配することはないのです。
税金諸経費
車を所有している場合、自動車税・重量税といった税金が発生します。こういった税金が全て料金に含まれているため、納税することで一気にお金がなくなってしまうことがないのです。また手続きも行ってくれるため、コンビニまでわざわざ行って支払い手続きをする手間を省けます。
KINTOのメリット
KINTO・他のカーリース・マイカー購入のいずれかをチョイスする場合に重要となってくるメリットとデメリット。メリットだけではなく、デメリットについてもしっかりと理解することで、失敗しないカーリースをチョイスしましょう。
月々定額の安心サービス
ローンを組んで車を購入する場合は、基本的に頭金が必要となります。また冒頭でも触れましたが、マイカーを購入すると車検費用・自動車税・メンテナンス費用によって不定期に支出が生じることになります。
しかし、頭金が不要で車に対する月々の支出もほぼ一定で、月によって異なる費用はガソリン代くらいとなるのです。任意で加入する自動車保険・メンテナンス費用が毎月の支払いに含まれているため、他のカーリースより月額料金が高価となっても、トータルの支払額はお得感があるサービスとなっています。
Web上で一括契約が可能
Web上で全ての契約を済ませることが可能であるため、多忙でなかなか車を見に行けないといった方でも利用しやすくなっています。契約書類も郵送となっているため、契約の際にもわざわざ店舗へと出向く必要がないのです。
1ヶ月程度で納車もされるので、マイカー購入や他のカーリースに比較すると極めてスピーディです。そのため急遽、車を利用する必要があるといった方の需要も満たせます。
柔軟な車の利用が可能
車を利用していると家族が増えたり、新車が欲しくなったりすることがあります。しかし手数料を支払うことによって、リース期間内であったとしても車を乗り換えられる「のりかえGO」といったシステムが導入されています。
のりかえGOであれば、リース中の定められた期間に手続きをすることによって、リース費用1ヶ月〜6ヶ月分の費用を支払えば他の車に乗り換えられるのです。リース期間内に乗り換えの手続きをして、新たに3年・5年・7年の期間で新規に車をリースするといった仕組みとなっています。
プロの正規メンテナンス
トヨタ車に詳しいプロのスタッフが点検・メンテナンスを実施するため、安心して任せられます。これはトヨタ車に特化しているからこそ提供できるサービスです。さらにパーツを交換する場合に利用される部品は全てがトヨタの純正品となっています。
カー用品店でも購入できるようなパーツがダメというわけではありませんが、メーカーの純正品であればより安心感を持てるのです。こういったメーカーであるトヨタが全てをサポートしてくれるため、安全面についても考慮できます。
お得なポイントシステム
利用者限定の旅行キャンペーンに申し込んだり、モビリティマーケットで利用できるポイントがもらえたりします。さらにクレジットカード払いが可能であるため、総額で500万円支払った場合、還元率が1%のクレジットカードを利用することで5万円分が戻ってくる計算となります。
銀行口座から引き落としが多いカーリースの中で、クレジットカードを利用できることはかなりお得感があるといえます。
KINTOのデメリット
KINTOを利用することを検討するうえで失敗を回避するためにも、デメリットについてもしっかり理解しておくことが必要です。デメリットは以下の通りとなります。
車種がトヨタとレクサスのみ
トヨタ車とレクサス車しか選べないため、全車種を選べる他のカーリースと比較すると車種が少なくなります。ただ、前もってトヨタ車かレクサス車に絞り込んでいる方にとっては、デメリットとは感じないかもしれません。あくまでもトヨタ車・レクサス車を利用したいと考えている方向けのサービスであることを認識しておきましょう。
途中解約すると違約金が発生
リースを開始する際に契約する期間を決定します。原則として途中で解約することはできないため、万が一解約する必要が生じた場合は違約金が発生します。
違約金の内訳としては、リースする期間内に支払うべき全額を一括で支払わなければならなくなってしまうので、極力リースする期間が満了するまで利用すべきです。
ただし、途中で解約できないことは、ほとんどのカーリースにおいても同様となっています。そのため解約する可能性が高い方は、違約金が発生せずに比較的安価で購入できる中古車をおすすめします。
リース期間が比較的短い
リース期間はトヨタ車の場合は3年・5年・7年となり、レクサス車の場合は3年のみです。他社では最長11年間リースが可能なカーリースが存在しているため、比較的リース期間は短いといえます。
走行距離が制限される
1ヶ月あたりの走行距離が1500kmに制限されており、契約が終了した際に制限されている距離を超過していた場合は1kmあたり11円の追加料金が発生します。距離が制限されているカーリースは多いため、毎週末にドライブへと出かけたい方には向いていないといえます。
どのくらい車を普段利用するかを調べておいて、走行距離が制限されている距離を超過して、追加精算する心配がないかを確かめてから利用することが推奨されます。
ネット上にあるKINTOの口コミ・評判
悪い評判として「3年契約を選択した場合に料金が高価」に言及する口コミが多い印象です。良い評判としてはやはり「買うよりお得感があること」といった口コミが多く見受けられました。
KINTOは車を利用し続けるために必要となるコストが全て含まれているサービスです。3年契約の料金を見て、かなり高価であると思われる方も多く見受けられ、車を利用するためにはそれなりの維持費が発生してしまうということです。
車を購入する場合には税金・保険・車検・オイル交換なども車を利用し続けるための費用が購入費用とは別にかかってしまいます。住んでいる地域にもよりますが、車は「足」として生活の中にはなくてはならないものとなっています。
車にかかる費用は必要な経費であると受け入れて、保険まで全て含まれている月額定額で工面できるKINTOが車のサブスクリプションでは、圧倒的なパフォーマンスに優れたベストなチョイスとなっているのです。
KINTOと購入とはどちらがお得か
KINTOを利用したいけれど、高価になってしまうのではないかと心配になってしまいます。そこで実際にトヨタ車を購入する場合と比較して、どちらがお得感があるかをシミュレーションしてみました。
KINTOは高い?安い?
サービスが開始された当初は「KINTOは高い」と囁かれていました。最初は契約期間が3年のみの設定であったために料金が高かったのです。
その後、5年と7年のプランが追加されたことによって、より長く契約できるようになったため、長期間の利用が可能となりリース料金もとてもリーズナブルな価格となっています。
KINTO・現金一括・ローンの比較シミュレーション
実際にそれぞれの料金を比較してシミュレーションしてみます。今回は「ヤリスX GAS 1.0L 2WD」をKINTOで7年間利用した場合・ローンで7年間利用した場合・現金一括払いで7年間利用した場合にかかる費用の比較を維持する費用を込みでシミュレーションしてみました。
車種:ヤリスX GAS 1.0L 2WD
期間:7年間
年齢:誰でもOK
KINTO 現金一括払い 自動車ローン
(金利5.0%)
車両代金 リース料金に
含まれる ¥1,535,300 ¥1,535,300
自動車税・自賠責保険 ¥337,500 ¥337,500
任意保険・車検・メンテナンス ¥1,973,124 ¥1,973,124
分割手数料 なし なし ¥287,481
7年後の下取り価格 なし ¥153,530 ¥153,530
支払い総額 ¥2,799,720 ¥3,692,394 ¥3,979,875
月々支払額 ¥33,330 ¥43,957 初回のみ
¥53,975
2回目以降
¥47,300
3つの条件でシミュレーションしてみると、KINTOが一番安価であることが分かりました。
KINTOは失敗?
KINTOは発売された当初には、失敗・高すぎるといった声もありました。その理由としては以下のことが挙げられます。
3年契約のみで月額料金が高すぎる
発売された当初の契約期間は3年のみの選択肢であったため、月額料金が高すぎるといった声が上がっていました。そこで、5年・7年契約を新規に追加設定して、月額料金を安く抑えることに成功したのです。
中途で解約する際に解約金がかかることに嫌悪感
中途で解約する際に解約金がかかってしまうことに嫌悪感を抱いている人も存在し、利用に踏み切れないといった声もありました。
しかし、解約金フリープランといった新しい新プランが発表され、利用中であればいつでも解約金0円で解約が可能となったのです。
3年間、乗り換えられないのが不便
実際に利用されている方に対するアンケートで「3年間乗り換えられないのは困る」といった声がありましたが、これについても気軽に乗り換えることが可能である新しいプラン「のりかえGO」が発表されました。
KINTOは月々定額だからとてもお得で安心
トヨタのサブスクリプションサービス「KINTO」について詳しく解説しました。一見すると他のカーリースと比較して高価であると感じられますが、実際にはそんなことはないのです。
逆にメンテナンス費用・任意保険料が全て内包されているため、他のカーリースよりもお得感があるくらいです。
トヨタ車かレクサス車でしかセレクトできなかったり、リース期間が比較的短いといったデメリットもありますが、トータルではかなり推奨できるサービスです。
是非ともトヨタ車・レクサス車を利用したい方は、KINTOでサブスクしてみてください。