暗い台所のテーブルで
夜11時過ぎ、家計簿アプリの数字が赤く染まったまま動かない。
冷蔵庫のモーター音だけがやけに大きく感じる。
翌月のカード請求、子どもの靴、車の点検——どれも「今」じゃないと割り切れたのに、保険料だけは毎月きっちり引かれていく。
私は湯気の消えたマグカップを横目に、保険証券を取り出した。
「ここに、まだ触ってない“余白”があるかもしれない」
次項予告:なぜ“保険”が家計のボトルネックになりやすいのか、体験ベースでほどきます。
目次
見直し“できそうでできない”壁

保険は「いざ」の安心を買うもの。だからこそ、節約モードになると一番最後まで触れにくい。私もそうだった。車の保険は毎年の自動更新。事故も違反もなく、等級は上がっているはずなのに、保険料は思ったほど下がっていない。
証券を見ても「運転者条件」「年齢条件」「車両保険のタイプ」「特約」…記号のような言葉が並び、どれが“今の暮らし”に合っているのかが分からない。子どもを乗せる頻度は増えたが、平日の通勤は自転車になった。ドラレコもつけた。なのに、条件は3年前のまま。
この「生活は変わったのに、保険は昔のまま」というズレが、気づかぬうちに毎月の固定費を押し上げる。まずは“余白”を可視化しようと思い、次の表を作った。

