日経平均は2026年8月に入ってからも6万3000円台と、歴史的な高値圏で推移しています。それでも8月3日は、日米の協調介入で円が155円台まで急伸したのを受けて607円安と反落しました。好決算を発表したファナックがむしろ急落するなど、指数全体は強くても銘柄ごとの明暗ははっきり分かれた1日でした。
こういうときに起きるのが、「指数は高値なのに自分のNISA口座だけ赤字」という状況です。特定のテーマに寄せていたり、高値圏で一括投資したタイミングが悪かったりすると、周りが「株高」と言っているのに自分だけ含み損、というのは普通に起こります。
慌てて動く前に、押さえておきたいことを3つ整理しました。
1. 売る前に、下落の中身と自分の期間を確認する
まず確認すべきは「なぜ下がったか」です。市場全体が下げているのか、為替や決算をきっかけに特定の銘柄・セクターだけが売られているのか。冒頭のファナックの例のように、業績自体は悪くないのに一時的な需給や期待先行の反動で下げているだけ、というケースは珍しくありません。
その上で、その資金をいつ使う予定なのか(1年後なのか、20年後の老後資金なのか)を思い出すことも大事です。積立投資、特にインデックスファンドでの長期・分散投資は、含み損が出ている局面そのものが想定の範囲内というのが基本的な考え方です。含み損は、売らない限り確定しません。
2. NISA特有のルールを理解する——損益通算・繰越控除ができない
これは知らないと損をする話です。NISA口座で出た損失は、税制上「なかったもの」として扱われます。課税口座(特定口座など)で利益が出ていても、NISAの損失とは相殺(損益通算)できませんし、翌年以降に損失を繰り越して控除する(繰越控除)こともできません。
たとえば同じ年に課税口座で70万円の利益、NISA口座で50万円の損失が出ていたとしても、70万円の利益にはそのまま課税されます。「損失を出して税金を軽くしたい」という発想(いわゆる損出し)があるなら、それはNISAではなく課税口座側で検討すべき話ということになります。

3. 売っても非課税枠は翌年に復活する——だから「感情」でなく「ルール」で判断する
新NISAには、旧NISAにはなかった特徴があります。売却すると、その分(取得したときの金額ベース)の非課税投資枠が、翌年以降にまた使えるようになる仕組みです。一度売ったからといって、生涯にわたる非課税枠そのものを失うわけではありません。
これを知っているかどうかで、判断の落ち着き方はけっこう変わります。「売ったら終わり」ではなく「翌年また枠が戻ってくる」とわかっていれば、少なくとも焦って決める必要はなくなります。感情で決めるのではなく、あらかじめ自分の中でルールを決めておくのがおすすめです。「当初の投資方針からどれくらい離れたら見直すか」「いつまでに使う予定のお金か」を、含み損が出る前の平常時に決めておくと、いざというときに迷いません。
判断に迷うときは、ネット上の意見よりも、口座を持っている証券会社やファイナンシャルプランナーに、自分の状況を踏まえて相談するのが一番確実です。この記事はあくまで一般的な制度の説明で、個別の売買を勧めるものではありません。








