宝くじの当選金は非課税。手取りで丸々入ってきます。
しかしこの“手軽さ”が、心理的な落とし穴にもなります。突然の富は「sudden wealth syndrome(突然の富の症候群)」と呼ばれ、感情の浮き沈みや判断力の低下を招くと言われています。
一瞬で大金を手にした人ほど、「自分は特別だ」と思い込み、日常のバランスを崩してしまうのです。
金融心理学者の研究によると、
「急激な生活変化は幸福度を一時的に上げるが、1年以内にストレスと孤立を増幅させる」
との結果が出ています。
だからこそ、当選者たちが“しないこと”にこだわる理由があるのです。
では、その「やらない習慣」とは何なのか。順に見ていきましょう。
1. 当選を「誰にも話さない」 ― 秘密厳守が最大の防御
まず第一に、成功者たちは**「当選したことを口外しない」**という鉄則を守ります。
SNSに「当たった!」と投稿するのはもってのほか。実際、X(旧Twitter)などで当選報告をした人の多くが、
・詐欺まがいのDM
・お金の無心
・突然増える“親戚”や“昔の友人”
などに悩まされたという報告があります。
みずほ銀行の宝くじ相談室でも、最初のアドバイスはこうです。
「できるだけ少人数、できれば配偶者のみに伝えること」
高額当選者の声を聞くと、ほとんどが匿名で受け取り、信託口座を活用して資産管理を行っています。
心得:
喜びをシェアしたい気持ちはわかる。でも、“秘密は最強のセキュリティ”。
話した瞬間、あなたの運と平穏は半分消える。
2. 「すぐに仕事を辞めない」 ― 自由よりも“日常の軸”を守る
「もし当たったら、もう働かない!」
そう言う人は多いですが、成功した当選者ほど、仕事をすぐには辞めません。
なぜなら、**仕事は単なる収入源ではなく「生活のリズム」と「社会とのつながり」**を維持する場所だからです。
実際、海外の調査では、当選後に即退職した人の40%が1年以内に後悔したと回答。
暇になりすぎて浪費やギャンブル、アルコール依存に走るケースもあります。
一方、仕事を続けながら徐々に生活を調整した人は、幸福度が長期的に安定。
日本でもスポーツくじBIGの6億円当選者「れお社長」が、
「仕事を辞めず、ライフワークにしている」と語っています。
心得:
当選後1年は“様子見期間”。焦らず生活リズムを保つこと。
仕事は“自由を守るための盾”です。
