この記事の要約
- 楽天カードのリボ払いは、年15〜17.64%という高い手数料で「静かに」お金が減っていき、年間4万円以上の差が出るケースもある。楽天カードサポート+1
- 月10万円利用・月5万円返済といった“よくある使い方”でも、一括払いと比べて手数料だけで約4.2万円の実質損失になるシミュレーション結果が出ている。楽天カード+1
- デフォルト設定がリボ払いになっていたり、キャンペーンで「あとからリボ」を使ったまま忘れるなど、気づきにくい落とし穴が多い。楽天カード+1
- しかし、アプリ設定の見直しと一括返済・繰上返済を組み合わせれば、手数料をほぼゼロに抑えることも可能。
- 楽天カード自体は優秀なカードだが、「リボ払いだけは仕組みを理解したうえでピンポイント利用する」のが長期的に見ていちばん得になる。
楽天カードのリボ払いは、本当に「お得な支払い方法」と言えるのか?
楽天カードは、いまや「とりあえず1枚持っておくカード」の代表格になった。年会費無料、基本還元1%前後、楽天市場でのポイント優遇、楽天ペイや証券との連携。2025年時点でも、家計のメインカードにしている人はかなり多い。楽天カード
一方で、同じくらいよく耳にするのが「気づかないうちにリボ払いになっていて、手数料だけで何万円も払っていた」という声だ。X(旧Twitter)を眺めていると、「毎月の請求額がやけに少ないなと思ったら、全部リボになっていた」「ポイントは貯まっているのに、残高が全然減らない」といったポストが定期的にバズっている。楽天カード+1
10年以上、お金の話とキャッシュレスの取材を続けてきた立場から断言すると、
楽天カードそのものは「かなり優秀」だが、リボ払いは「使い方を間違えると一気に家計の敵になる」代表選手だ。
しかも厄介なのは、「手数料を払っている実感が薄い」こと。毎月の支払額はそれほど変わらないのに、残高だけが静かに積み上がっていく。
この記事では、その“静かな借金”の正体を、具体的な比較表とシミュレーションで見える化していく。
なぜ楽天カードのリボ払いは「年間4万円の差」が生まれるのか?
楽天カードのリボ払いはどんな仕組みと金利になっているのか?
まずは仕組みをざっくり整理しておきたい。
楽天カードのリボ払いは「残高スライド方式」と呼ばれるタイプで、毎月の支払い元金を自分でコース設定し、その残高に対してリボ手数料(実質年率15.00〜17.64%)がかかる。楽天カードサポート+1
ポイントはここだ。
- 支払い方法は「毎月いくら払うか」だけが決まっており、
- 残りの利用残高には、ずっとリボ手数料がかかり続ける
リボ手数料の計算式は、公式の説明だとおおむね次のような形になる。
前月末残高 × 実質年率(15.00〜17.64%)÷ 12ヶ月楽天カードサポート+1
つまり、残高が20万円あれば、年率17.64%の場合、ざっくり「年3万5千円前後」の手数料が発生するイメージになる。
毎月に直すと3千円弱。数字だけ見ると小さく見えるが、1年積もると「ちょっとした旅行代」レベルになる。
2025年の金利引き上げで、どれくらい負担は増えたのか?
もうひとつ見逃せないのが、2025年の金利改定だ。
楽天カードは2025年8月27日請求分から、一部カード(楽天カード・楽天PINKカードなど)のリボ手数料率を年15.00%から17.64%へ引き上げた。楽天カード+1
- 改定前:実質年率 15.00%
- 改定後:実質年率 17.64%
- 対象:楽天ブラック・プレミアム以外のカード
たった2.64ポイントの差に見えるが、残高が大きい人ほど影響は重い。
例えば、年間を通して平均残高が20万円前後ある場合、
- 年15.00%なら手数料は約3万円
- 年17.64%なら手数料は約3万5千円
おおまかに5千円以上の“増税”に近い負担増になる。
リボ残高が30万、40万と膨らんでいる人は、さらに差が大きくなっていく。
一括払いと比べると、どれくらい「見えない損」が積み上がるのか?
月10万円利用・月5万円返済の場合、いくら手数料を払うことになるのか?
ここからが、本題の「年間4万円差」が出るシミュレーションだ。
条件を、あえて「よくありそうな使い方」に寄せてみる。
- 毎月のカード利用額:10万円(生活費、楽天市場、光熱費など)
- 毎月のリボ返済額:5万円(標準的なコースを想定)
- リボ手数料率:17.64%(楽天カードの標準的なリボ手数料)楽天カード+1
- 期間:1年間
この条件で、「毎月10万円利用→5万円だけ返済→残り5万円が残高として積み上がる」という流れを繰り返すと、残高は
- 1ヶ月目:5万円
- 2ヶ月目:10万円
- 3ヶ月目:15万円
- …という具合に雪だるま式に増える
途中で返済が進むので単純な足し算にはならないが、おおよその月平均残高は20万円強になる。
ここに年率17.64%を掛けて12で割ると、1年あたりの手数料はざっくり4万円超になる。
一括払い vs リボ払いでどれくらい差がつくのか?
イメージしやすいように、比較表にしてみる。
| 項目 | 一括払い | リボ払い(月5万円返済) | 差額(リボの損) |
|---|---|---|---|
| 月利用額 | 10万円 | 10万円 | – |
| 年間利用額 | 120万円 | 120万円 | 0円 |
| 手数料率 | 0% | 17.64% | – |
| 月平均残高 | 0円 | 約23万円 | – |
| 年間手数料総額 | 0円 | 約42,000円 | -42,000円 |
| 年間総返済額 | 120万円 | 約124万2,000円 | -42,000円 |
| ポイント還元(1%想定) | 12,000pt | 12,000pt | 0円(手数料に食われる) |
※金額は目安。実際の返済スケジュールや締め日・引き落とし日によって変動。シミュレーションの考え方は、楽天カード公式の返済シミュレーションとリボ手数料計算式を参考にしている。楽天カード+1
ポイントはシンプルで、
- 一括払い:ポイント分だけ純粋にお得
- リボ払い:ポイント分の得より、手数料の損のほうが圧倒的に大きい
という構造になっている。
「ポイントでトクしているつもりが、手数料でそれ以上に損している」というのが、リボ払いの典型的なパターンだ。
なぜこんなに損なのに、リボ払いを続けてしまう人が多いのか?
デフォルト設定やキャンペーンに、どんな落とし穴があるのか?
これは、意外と知られていないがかなり重要なポイントだ。
楽天カードでは、入会時に「自動でリボ払い」設定を選んでいると、後からわざわざ解約しない限り、利用分がすべてリボになる。楽天カード+1
さらに、
- 「あとからリボで○○ポイントプレゼント」といったキャンペーン
- 「この支払をリボに変更しますか?」というポップアップ
など、ユーザー側に“リボを選ばせる仕掛け”も多い。楽天カード+1
短期的に見れば「2,000ポイントもらえるならいいか」と感じるかもしれない。
しかし、そのまま繰上返済を忘れて放置すると、もらったポイント以上の手数料を払う羽目になる。
- キャンペーンポイント:2,000pt(約2,000円相当)
- 放置したリボ残高:数十万円
- 1年後の手数料:数万円
というパターンは、Xの体験談でも何度も見かける。
「毎月の支払い額が少ない」ことが、なぜ危険サインなのか?
もうひとつの落とし穴は、「毎月の請求額が妙に少ないのに、あまり気にしないまま放置してしまう」ことだ。
- 「今月、出費が少なくて助かったな」
- 「ボーナス払いかなにかが効いてるのかな」
と、なんとなくプラスに解釈してしまいがちだが、実際には
- 利用額:10万円
- 請求額:3万円(元金+手数料)
- 残り:7万円がリボ残高へ
という流れになっていることもある。
つまり、「毎月の請求額が思ったより軽い」と感じたら、それはむしろ「残高が水面下で増えているサイン」かもしれないのだ。楽天カード+1
楽天カードのリボ払いで損しないために、今すぐ何を見直せばいいのか?
まず最初に、どの設定を確認すべきなのか?
今日からできるチェックポイントは、意外とシンプルだ。
- 楽天カードアプリ or 楽天e-NAVIにログインする
- 支払い方法設定を開く
- 「自動でリボ払い」設定がONになっていないか確認する
- ONなら、すぐにOFFへ変更する
公式サイトでも、「リボ払いを利用するときには実質年率15〜17.64%の手数料が発生する」と繰り返し注意喚起されている。楽天カードサポート+1
「自分はリボなんて使っていない」と思っている人ほど、一度確認しておいたほうがいい。
既にリボ残高がある場合、どんな順番で対処すべきなのか?
もしすでにリボ残高がそれなりにある場合は、
- アプリから現在のリボ残高を確認
- 可能であれば「全額一括返済」を検討
- 無理なら「リボお支払いコース」を引き上げて、毎月の返済額を増やす
楽天カードの返済シミュレーションを使うと、「月○円返済なら何ヶ月で完済・手数料総額はいくら」という目安がすぐ出る。楽天カード+1
- 月5,000円返済だと完済まで長期化しやすく、手数料も大きく膨らむ
- 月1万〜2万円に増やすだけでも、完済時期と手数料総額はかなり変わる
「とりあえず最低額だけ払う」は、リボ払いにとって最悪の選択肢に近い。
キャンペーンとポイントは、どう付き合うのが賢いのか?
楽天カードはキャンペーンが多く、上手に使うとかなりお得になる。
ただし、「リボ払いが絡むキャンペーン」だけは使い方を決めてから乗るのが安全だ。
例えば、
- 「あとからリボで○○ポイント」→ すぐに一括繰上返済する前提で使う
- リボ残高を翌月まで絶対に持ち越さないルールを自分に課す
- ポイント目的でリボを使うのは“1回きり”と決めておく
といった“自分ルール”を決めておかないと、気づけば残高が膨らんでいく。
公式サイトの注意書きにもある通り、「リボお支払いコース金額以下の利用でも手数料はかかる」ので、たとえ少額でも油断は禁物だ。楽天カード+1
結局のところ、楽天カードのリボ払いとはどう付き合うべきなのか?
結論だけをもう一度まとめると、こうなる。
- 楽天カードはポイント還元・使い勝手ともに優秀なカード
- ただし、リボ払いは年15〜17.64%という「かなり高い利息」を払う仕組み
- 月10万円利用・月5万円返済のような使い方だと、年間4万円超の差がつく
- デフォルト設定やキャンペーンが、知らないうちの“リボ常用”を招きやすい
- 設定の見直しと一括返済・繰上返済で、手数料はかなり減らせる
楽天カードは、味方にも敵にもなる。
違いを生むのは、カードそのものではなく「支払い方法の選び方」だ。
今日、この文章を読み終わったタイミングで、アプリを開いてみてほしい。
支払い設定とリボ残高を一度チェックするだけで、あなたの来年1年分の「ムダな4万円」を丸ごと救えるかもしれない。
よくある質問:楽天カードのリボ払いで、みんな何を不安に感じているのか?
Q:楽天カードのリボ手数料は、具体的にいくらですか?
A:券種によって異なりますが、一般的な楽天カード・楽天PINKカードなどは実質年率17.64%、楽天プレミアムカードやブラックカードは15.00%です。楽天カードサポート+1
Q:リボ払いをやめたいときは、どうすればいいですか?
A:楽天e-NAVIや楽天カードアプリから「自動でリボ払い」設定をOFFにし、残高があれば「全額一括返済」か返済額の増額を選びます。詳細は公式のリボ払いページと返済シミュレーションを参考にすると分かりやすいです。楽天カード+1
Q:キャンペーン目的で一度だけリボ払いを使うのはアリですか?
A:仕組みを理解したうえで「即繰上返済する」前提なら、ポイント分だけ得することもあります。ただし、繰上返済を忘れるとあっという間に手数料がポイントを上回るので、管理に自信がない人にはおすすめしにくいです。楽天カード+1
Q:すでにリボ残高が数十万円あります。まず何からやるべきですか?
A:まず残高と手数料率を確認し、可能なら「全額一括返済」を検討します。難しければ、毎月の返済額を増やしつつ、他の高金利借入を整理する順番を考えましょう。楽天カードの返済シミュレーションで「今のままいくと何年かかるか」を可視化すると、危機感が掴みやすくなります。楽天カード+1
Q:リボ払いそのものは、絶対に使わないほうがいいですか?
A:短期間・少額・完済計画が明確なら「資金繰りの調整」に使える場面もゼロではありません。ただ、多くの人にとっては「気づかないうちに長期利用になりやすい」支払い方法なので、基本方針は「使わない/使うなら即返す」くらい慎重でちょうど良いと考えたほうが安全です。





