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カーテン・スクリーンで仕上げ

面(フィルム)+線(すき間)が整ったら、仕上げは室内側に“空気層”を作るレイヤー。遮熱・断熱カーテンとハニカムスクリーンで、窓前の冷/熱の滝を止め、体感を“ふわっ”と穏やかにします。
カーテン:採寸と吊り方で性能が激変
採寸の黄金比
- 丈:床すれすれ(-1〜2cm)。足元の漏れをブロック。
- 幅:窓外側へ片側10〜15cmオーバーラップ。中央合わせの隙間はマグネットで補助。
- 高さ:可能なら天井付近から吊る(カーテンボックス/天付け)→上部の熱だまりを遮る。
- 生地:
- 夏の昼:遮熱レース(ミラー/金属糸)で日射反射。視線と熱を両立。
- 冬の夜:厚地+裏地(サーマル/フランネル)で放射冷却をカット。
- 年中:遮光=暗さ重視、遮熱/断熱=体感重視。目的で選ぶ。
即効カスタム
- 既存カーテンにクリップ式の裏地を足すだけでも劇的。
- サイドリターン金具で壁に折り返すと横漏れ減。
- 簡易ペルメット(上部覆い):突っ張り棒+箱形板(軽材)で上部の漏れをカット。
ハニカムスクリーン(蜂の巣スクリーン):空気層そのもの
効き方:六角セルに静止空気を閉じ込めて“断熱材化”。Top-Down/Bottom-Upなら採光と目線を両立。
取付
- 枠内付け:見た目スッキリ。すき間が出るなら枠外ひと回り大きくで漏れ低減。
- 運用
- 冬:夕〜朝は全閉。朝の結露を拭いて上部だけ開けて採光。
- 夏:直射時間帯は半閉。朝夕は通風で排熱。
- 多層化:レース+ハニカム+厚地の“二段/三段”にすると別の部屋のような体感に。
季節運用のコツと“上書きテク”
- 春/秋:レース中心。朝夕だけ厚地で微調整。
- 夏:日中の直射時間をレースで反射→西日は厚地で遮光。窓前に上向き送風を当てて滞留熱を剥がす。
- 冬:夕方に厚地フルクローズ→朝は結露拭取り→換気→部分開。暖房は窓に向けて弱送風で“冷気の落下”を打ち消す。
- ドラフト対策:窓下にロールクッションや隙間ストッパーで足元の“すーっ”を根こそぎ。
まとめ:窓は「面」→「線」→「層」の三段で考えると迷いません。①フィルムで面、②隙間テープで線、③カーテン/ハニカムで層。これだけで体感温度が2〜3℃変わる印象になり、エアコンの効きが別物に。
付録|トラブル回避&チェックリスト(コピーOK)
施工前
- [ ]窓タイプ(単板/複層、Low-E、型板、方位)を確認
- [ ]優先順位:単板×アルミ→北→西日→水まわり
- [ ]賃貸規約と剥離性(静電/弱粘着)を確認
フィルム
- [ ]適合確認→清掃→養生→仮カット→湿潤→貼付→圧着→仕上げ
- [ ]1〜2mm逃がしで干渉回避/角は2mm丸
- [ ]直射窓は遮熱系、底冷え窓は断熱系を選択
隙間テープ
- [ ]厚み測定(紙/ねんど)→素材選定(モヘア/P/D/ゴム)
- [ ]枠側に貼る/継ぎ目は上部/開閉テスト済
結露・運用
- [ ]結露テープは水抜き穴を塞がない
- [ ]夜=厚地/ハニカム閉め切り、朝=拭取り→換気
- [ ]送風で窓前の滞留熱/冷気を“はがす”