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貼る系DIY(フィルム/隙間テープ)

窓の熱移動はガラス面(面)とサッシのすき間(線)の2ルート。断熱・遮熱フィルムで“面”の熱放射/日射を抑え、隙間テープで“線”からの侵入を止めます。結露テープで下枠の腐食も予防。低コスト×賃貸でも撤去しやすい手順に絞って解説します。
断熱・遮熱フィルムの貼り方(保存版手順)
適用確認:Low-E/コーティング・ワイヤー・型板ガラスは適合明記を確認。不可の場合は静電吸着タイプを選択。
室内環境:無風・10〜30℃・湿度めが理想(ほこり舞い防止)。エアコン/扇風機は一時停止。
道具:霧吹き(ぬるま湯1L+中性洗剤1〜2滴)、スキージー(ゴム+フェルト)、カッター(新品刃)、金属定規、マイクロファイバー、養生(マスカー/新聞)。
手順
- 徹底清掃:ガラス・枠の砂埃/皮脂を除去。上→下へ拭き、最後に乾拭き。
- 養生:床・桟を保護。カッター傷防止に**金尺を“当て板”**として使う。
- 仮カット:フィルムを四辺+3〜5mm大きめに。角は2mm丸に落とすと後の剥がれにくさUP。
- 湿潤:ガラス面にたっぷり霧吹き(洗剤水が“潤滑+気泡抜き”に効く)。
- 貼付:剥離フィルムを少しずつはがし、上辺中心→左右→下の順で置く。
- 一次圧着:中心から外へフェルト面で気泡と水を押し出す。
- 本圧着:角・端部をゴム面で丁寧に。白濁は乾くと透明になるので焦らない。
- 仕上げカット:四辺を1〜2mm逃がして直線カット(枠との干渉を避ける)。
- 乾燥:24〜72hは触らない・開閉少なめ。冬は時間がかかります。
コツ&リカバリー
- 小ゴミ混入はマスキングテープの“折り返し”でペタ取り。
- しつこい気泡は針で極小穴→スキージーで追い出す。
- 型板ガラスは静電吸着推奨。糊ありは密着不良→白濁のままになる。
- 直射が強い窓=遮熱系(反射/吸収)、冬の底冷え=**断熱系(Low-E風)**を選ぶと体感が分かりやすい。
- 剥がし方:角を温風で軽く温めてゆっくり斜め引き。残糊は中性洗剤→アルコールで除去。
プチ上位策:賃貸でもOKなマグネット/面ファスナー式の薄板内窓(アクリル/ポリカ)は効果大。外窓との間に湿気がこもらないよう“少し換気”を意識。
隙間テープ(モヘア/スポンジ/P型/D型/ゴム)の選び方と貼り方
測り方:コピー紙を挟み枚数×0.1mm ≒ すき間。または紙ねんどを薄く当てて厚み測定。
素材の違い
- モヘア(毛足):引き違い窓の重なり部/中桟に◎。摩擦が少なく開閉が軽い。
- スポンジ(発泡):当たり面が広くコスパ良。経年で痩せやすいので太めを選んで予備も。
- P型/D型(EPDM):戸当たり/ドア向け。反発が強く気密性高い。
- ゴム(EPDM/シリコーン):耐久・耐候に優れ、開き窓の戸当たりに。
貼る位置の原則
- 枠側に貼る(可動側は剥がれ/干渉の原因)。
- 継ぎ目は上部にまとめて水の侵入を防ぐ。
- 引き違い窓は中桟の重なり・下レール脇・縦枠を重点。クレセント錠周りは開閉テスト必須。
- 開き窓は戸当たり面を連続的に。蝶番側の厚貼りはNG(閉まり不良)。
作業のコツ
- 気温10〜30℃で施工。寒すぎると粘着が弱い。
- 10〜20cmずつ裏紙を剥がしながら直線に貼る。圧着は指→ローラーの順。
- 初日は軽い圧着→翌日に増し圧。過圧で潰すと復元力が落ちる。
- 干渉したら薄手に変更or当たる部分だけカット。
結露テープで枠の寿命を守る
- 貼る場所:下枠の内側。水抜き穴は絶対に塞がない。
- 吸水→蒸発の循環を作るため、日中は窓上から送風(#3サーキュレーター参照)。
- 交換サイクル:黒ずみ・カビが出たら即交換。アルコール→中性洗剤で下枠を清掃。
- 合わせワザ:除湿(#10)+夜間は厚地閉め切りで結露が激減。
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