桜が少し散った頃、二人はそれぞれの封筒を閉じた。
直哉は乗り換えを選んだ。理由は単純で、在宅中心の暮らしに走行距離連動の考え方が“しっくり来た”からだ。
安さの快感ではない。請求メールを見た瞬間、深呼吸が長くなる感じ。契約が暮らしに寄り添った、それだけだ。
彼はホワイトボードからメモをはがし、ダッシュボード裏に小さく貼る。
〈安全確保→警察→相手連絡先→写真→保険窓口〉
“もしもの順序”が視界の端にあるだけで、運転が少し穏やかになった。

ミナは継続にチェックを入れた。
変えなかったのではなく、話して整えたからだ。
担当者と確認した“連絡フロー”、ドラレコの保存時間、ロードサービスの距離。
冷蔵庫のマグネットに、“今年の暮らしメモ”を重ねて留める。
〈通勤は週2/子の送迎/夏に長距離〉
契約は、未来の自分に向けた小さな手紙になった。
豆知識③:保険金の請求は、内容によって等級や将来の保険料に影響する。使う・使わないの判断は、窓口で具体的に相談して決めるのが安全(出典:損害保険料率算出機構)
——同じ春でも、歩幅は少し違う。
でも二人とも、数字の意味を自分の言葉で持てた。
来年の更新メールが届くころ、今日のメモは過去の自分からの助言になっているはずだ。
行動メモ(明日の一歩)
更新の前夜、補償・特約・連絡フローを紙1枚に書き出してから、“継続 or 乗り換え”を決める。
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