――やめたのは“やる気探し”。次で、続かない正体を分解します。
導入(朝のマグカップと3行のノート)
平日の朝、コーヒーが落ちる音を合図に、僕はノートを開く。始めたのは“たった30日だけ”の実験だった。アプリの連続記録は三日坊主、参考書は見出しだけが綺麗に折れている。だから今回はやる気を前提にしない設計にした。必要なのは、短い手順・目印・変化の記録。結果を先取りせず、カップが空になるまでの“ひと区切り”に集中する。(画像案:湯気の立つマグと小さなノート、朝の光)
次項:なぜ続かないのか。仕組みに直すと、解像度が上がります。
続かないのは“量”ではなく“摩擦”

――時間がないのではなく、始めにくいだけ。次で摩擦を下げる型を並べます。
僕の挫折はいつも同じだった。
- 最初の一歩が重い:机を片づけ、辞書アプリを開き、教材を探す——準備が多い。
- 到達点が遠すぎる:TOEIC◯◯点、海外ドラマを字幕なしで、など“今の自分”から離れすぎ。
- 記録が曖昧:今日何を学んだのか、次に何をすればいいのか、翌朝の自分がわからない。
そこで、30日間だけ摩擦最小・成果最小の設計に切り替えた。目的は“英語が上手くなる”ではなく、**“英語を扱う自分のままで一日を始める”**こと。具体的には、(1) トリガー(朝のコーヒー)、(2) 固定メニュー(15分×3ブロック)、(3) 3行ログ(今日の拾い物)。これだけを回す。量を増やすのは“30日が終わってから”にした。(画像案:チェックマーク入りToDoと朝の光)
次項:5分で型を選べる比較表。自分はどのパターンから始める?
比較表+解説:3ブロック×目的別の始め方
――表で“初手”を決め、解説でつまずき潰しを。次は転機になった“気づき”へ。
ブロック | 中身(15分) | 向いている人 |
---|---|---|
耳の起動 | シャドーイング90秒×3本(ニュース/短対話)+息継ぎ | 朝は頭が回らないが体は動くタイプ |
目の拾い物 | 100~150語の短文精読:知らない語2つだけ調べる | 調べ出すと止まらないタイプ |
口の整え | 1フレーズ×3パターンで置換練習(主語・時制・相手) | 会話で詰まりやすいタイプ |
書く微差 | 120秒フリーレイト(日本語→英語→日本語) | 文章で考えを整えるのが得意 |
通勤アレンジ | 交通中は“聞き流し”ではなく単語2つの回収 | すき間時間が多いタイプ |
解説(運用のコツ)
- 最初の90秒は“できる感”最優先:完璧な発音より、声が出たかどうか。
- 精読は“2語だけ”:もっと調べたい衝動は付箋へ避難。朝は“目を温める”だけで良い。
- 置換は“台本の登場人物を入れ替える”:I→We、現在→過去、友人→上司。これで“応用できた感”が出る。
- フリーレイトは“翻訳ごっこ”:日本語120秒→英語120秒→日本語120秒。意味の擦り合わせでズレを知る。
- 通勤は“2語の戦利品”:1日のメモは2語で合格。多く拾えた日はおまけ。
次項:転機になったのは、先生のひと言ではなく“自分の声”でした。
録音した“息継ぎの音”
――上手いか下手かより、呼吸が続いているか。次で疑問に一気に答えます。
10日目、スマホのボイスメモを再生して気づいた。文法以前に、息継ぎの位置がバラバラで、単語が“途切れの集合”になっている。そこで、台本のコンマごとに軽く息を入れるマークを付け、つっかえても止めないをルールにした。完璧な一回より、荒い三回。すると11日目、録音の“自分の声”が少しだけ滑らかに聞こえた。語彙は同じでも、呼吸が整うと伝わる印象が変わる。これが僕の転機だった。
次項:よくある5つの疑問を“行動に翻訳”します。最後に30日の結果を公開。
Q&A×5:迷いを行動に変える
――すべて*“次の一歩”*付き。道具は手持ちでOK。
Q1. どの教材が正解?
A. 正解は“朝15分で起動できる薄さ”。短いニュース、中学英文、会話台本いずれでも。
→ 次の一歩:今ある本/アプリから90秒×3本を即席リスト化。
Q2. 発音が恥ずかしい。録音は必要?
A. 必要。上達より“呼吸の整い”の確認が目的。
→ 次の一歩:1日1回だけ録音し、“息継ぎマーク”をつけてから再挑戦。
Q3. 単語帳はやらないの?
A. やる。でも1日2語で合格。
→ 次の一歩:拾った2語を“置換練習”に混ぜる(主語・時制・相手を変える)。
Q4. 夜は疲れて無理。朝起きられない。
A. トリガーを“コーヒー”に移す。起きる→淹れる→始める。
→ 次の一歩:マグとノートを前夜に同じ位置へ。摩擦をゼロに。
Q5. 30日後、何を指標にする?
A. スコアではなく“生活の中の英語”。
→ 次の一歩:①英語で声を出した日数、②録音本数、③拾った単語数、この3つだけを数える。
次項:数字で見る30日。伸びは小さい、でも体感は大きい。
行動と結果(30日のログ:小さな数字、大きな体感)
――“荒い三回>完璧な一回”。次で総括と明日への案内を。
実行ログ
- 朝の15分×3ブロック:達成26/30日(耳23・目24・口21)
- 録音本数:30本(平均22秒/本)
- 拾った単語:2語/日×30日=60語(うち会話で使用10語)
- 置換練習のパターン:主語×時制×相手=3×3×3=27通りのうち、実施18通り
- 通勤“戦利品”:2語ルールで達成率92%
体感の変化
- 読み上げの息切れが“文末だけ”に後退。
- オンライン会議で短い相づち英語が出る(Got it / Let me check / Sounds good)。
- 「勉強を始めるまでの時間」が9分→90秒へ。
- 何より、英語をやらない日への罪悪感が薄れ、翌朝に**“普通に再開”**できた。
次項:明日からの“最短手順”を3つ。これだけで十分です。
まとめ(明日からの“三手”)
――呼吸を整える→拾う→置換する。量はあとで増やす。
- 朝のトリガー:コーヒーの湯気を合図に90秒×3本だけ声を出す。
- 拾うのは2語:精読/通勤、どこでも可。2語で合格にして続ける。
- 置換で遊ぶ:1フレーズを主語・時制・相手で入れ替え、録音して“呼吸”を確認。
※本記事は個人の体験記です。学習の適切さ・効果は目的やレベルで異なります。自分に合う負荷と休息を選び、健康と生活リズムを優先してください。
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