「ペット保険は入っておいたほうがいい」とはよく言われるものの、実際に検討し始めると「うちの子は元気だし、本当に必要なんだろうか」「ペットショップで勧められるままに入っていいのか」といった疑問が次々出てくる。Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトを見ても、「入って後悔した」派と「入っていてよかった」派の意見が両方見つかり、正直どちらを信じればいいのか分かりにくい。今回はその辺りを一通り整理してみた。
本当に必要なのか
知恵袋を眺めていると、「いらない派」の理由はだいたい共通していて、「貯金で治療費を賄えるなら保険は不要」「うちの子は病院にほとんどかからず、保険料のほうが高くついた」というものが多い。実際、ペットショップで勧められて年間3万円ほど払ったものの、使った保険金は1万円に満たず、請求の手間もあって1年で解約した、という声も見かけた。
一方の「入ってよかった派」は、大きな手術や長期の通院を経験した人に多い。「保険をやめた直後に体調を崩して、実費で30万円近くかかった」というような、タイミングの悪さを悔やむ声も目立つ。
結局のところ、次のような人は保険が向いていると思う。
- 貯金だけで数十万円規模の急な出費に対応するのが不安な人
- 「お金の心配で治療の選択肢を狭めたくない」と考えている人
- 多頭飼いで、複数頭分の医療費リスクを読みにくい人
逆に、治療費を賄えるだけの貯金が別途あり、それが減っても困らない人は、無理に加入しなくてもいいかもしれない。多くの人はこの中間にいるはずなので、「補償割合は抑えめの保険に入りつつ、並行してペット用の貯金も続ける」というハイブリッドが現実的な落としどころになりそうだ。
費用はどうなるのか
保険料は動物の種類・年齢・(犬なら)体格によって変わる。猫の場合は月額1,300円〜8,600円程度が相場で、犬ほど品種による差はないとされる。犬は小型犬か大型犬かで差が大きく、年齢が上がるほど保険料も上がっていくのが一般的。若く健康なうちに入るほど保険料は抑えられる。
一方、保険に入らなかった場合の治療費はというと、ある調査では犬の年間平均治療費は約14万円、猫は約9万円というデータがある。生涯でみると、犬は平均165万円ほどかかるという試算もある。骨折の手術で数十万円、がんの治療で月々数万円かかるようなケースも珍しくない。
保険料だけを見ると「意外と高い」と感じるかもしれないが、治療費の実態と並べてみると、感じ方が変わってくるはずだ。
ペットショップで入るのと、個人で入るのでは何が違うのか
ペットを迎えたその場でペットショップから案内される保険は、多くの場合そのショップと提携している保険会社の商品で、初月だけ補償割合や保険金の上限が優遇されていて、2ヶ月目以降は一般的な70%や50%プランの水準に落ち着く、という仕組みになっていることが多い。2年目の更新以降も、初年度2ヶ月目以降の内容に準じて継続していくのが一般的です。
大きなメリットは、迎え入れた当日からすぐに補償が始まる商品が多いこと。自分でネットや郵送で申し込む場合、契約自体は早くても、実際の補償開始までに「待機期間」が設定されていることがあり、その間に発症した症状は対象外になる。早く保険を確保したいなら、ペットショップ経由の即日カバーは素直にありがたい仕組みだと思う。
一方で、あとから別の保険会社に切り替えることも可能だ。ペット保険はだいたい1年契約なので、途中解約して乗り換えるか、更新のタイミングで別会社に切り替えることができる。ただし注意点があって、切り替え先では改めて健康状態の告知と審査が必要になる。すでに何らかの傷病歴があったり、直近で動物病院にかかっていたりすると、新規加入を断られたり、その傷病だけ補償対象外になったりすることがある。「今の内容に不満があるから切り替えよう」と思っても、健康なうちでないと選択肢が狭まる、というのは覚えておいたほうがいい。
入ったほうがいい犬種・猫種はあるのか
体質的に治療費がかさみやすい犬種・猫種は、保険のメリットを感じやすいと思う。いくつか例を挙げると、
- 小型犬全般(トイプードル、チワワなど) 膝蓋骨脱臼(膝のお皿がずれる病気)を起こしやすい。トイプードルは外耳炎や白内障、チワワは頭の形に関連して水頭症にも注意が必要とされる。
- 大型犬(ラブラドール・レトリーバーなど) 股関節形成不全や前十字靭帯断裂など、足腰の整形外科的なトラブルが起きやすい。手術になると高額になりやすい部類。
- ミニチュア・ダックスフンド 胴の長い体型ゆえに、椎間板ヘルニアのリスクが比較的高いとされる。
- 柴犬 若いうちからアトピー性皮膚炎を発症しやすく、長期的な通院・投薬が必要になりやすい。
- フレンチ・ブルドッグなど短頭種 体温調節が苦手で、熱中症のリスクが高い。
- スコティッシュフォールドなど一部の猫種 肥大型心筋症になりやすい系統として知られており、スコティッシュフォールドは肥満から尿路結石につながりやすい傾向も指摘されている。
もちろんミックス犬・雑種でも病気やケガはするので、「純血種じゃないから不要」というわけではない。ただ、上に当てはまる犬種・猫種を飼っている場合は、保険のメリットをより実感しやすいはずだ。
まとめると
貯金だけでは心もとない、治療の選択肢を狭めたくない、体質的にリスクが高めの犬種・猫種を飼っている——このあたりに当てはまるなら、保険は前向きに検討する価値がある。ペットショップ経由でも個人加入でも、大事なのは健康なうちに決断することだと思う。年齢が上がるほど選べる保険は減っていくので、「うちの子はまだ若いから」が、実は一番動くべきタイミングだったりする。









