SNSは今や、私たちの生活に欠かせない情報収集ツールです。X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなど、誰でも自由に情報を発信・受信できる反面、デマや誤情報、フェイクニュースが一気に広まるリスクも抱えています。
総務省のガイドラインでも繰り返し指摘されているように、誤情報は日常的な誤解や勘違いから生じるだけでなく、災害や選挙といった緊急時には社会的混乱を招く危険な要素となります。
特にSNSでは、真偽よりも「感情」に訴える投稿が拡散されやすく、私たちの冷静な判断を鈍らせてしまいます。この記事では、**誤情報に共通する典型的な10の特徴と、それぞれの見抜き方(=NGポイント)**を分かりやすく解説します。
「なんか怪しいな…?」と思ったとき、この記事を思い出してみてください。
1. 出典が不明、もしくは信頼性の低い情報
最も典型的なのが、情報の出どころ(出典)があいまいなケースです。
- 「友人の知り合いから聞いた話」
- 「ネットで拾った画像」
- 「〇〇ってニュースで見たけどどこのサイトか忘れた」
こういった投稿は、裏付けが一切ないまま拡散される誤情報の温床です。特に匿名アカウントや、過去に信頼性の低い投稿を繰り返している発信者からの情報は要注意です。
見抜き方:
- 投稿者のプロフィールや過去の投稿をチェック
- 信頼できるメディアや政府、専門機関の公式サイトで裏付けをとる
- 「情報源はある?」と自分に問いかける習慣をつける
2. 恐怖や怒りなど、感情を強く煽る表現が多い
「今すぐ拡散!」「これはヤバい」「衝撃の真実」といった、人の不安・怒り・驚きを狙った表現が使われていたら要注意。心理学でも、感情に訴える情報は理性的な判断よりも早く心に届き、拡散されやすいことが分かっています。
特に災害時や政治的話題では、**プロパガンダ的な手法として「恐怖で煽る」「繰り返す」**などの技術が使われることもあります。
見抜き方:
- 一歩引いて「これは本当に緊急か?」と問い直す
- イライラや不安な時は、いったんSNSから離れる
- 感情で動きそうになったら、まず事実確認
3. 「絶対に」「全員が」など極端で過激な主張
「絶対に許せない!」「全員が騙されている」「これは史上最悪の出来事」など、言葉のトーンが強すぎる場合も要注意ポイントです。
現実の世界は複雑でグレーな部分が多いのに、誤情報はあえて白黒をはっきりさせることで感情的に訴えてくる傾向があります。
見抜き方:
- 他の視点・立場から同じ話題を調べる
- 複数の報道機関や専門家の意見を比較して、客観的に判断
- 極端な断定は疑ってかかる
4. 画像や動画が加工・捏造されている
最近では、**AIによる画像・動画の合成(ディープフェイク)**も問題になっています。また、過去の写真や映像を現在の出来事と偽って使うケースも増えています。
SNS上では、「本物のように見えるけど実は加工済み」のコンテンツが毎日のように投稿されています。
見抜き方:
- 画像は「Google画像検索」や「Tineye」で逆検索
- 動画は一時停止して、フレーム内に映る看板や時刻、服装などで時代を特定
- 「本当に今起きたこと?」と冷静に観察
5. 同じ内容が繰り返し拡散され、信ぴょう性が増したように見える
SNSの特性上、多くの人が同じ内容を投稿していると、真実のように思えてしまうことがあります。しかしこれは、単なる情報のコピー&ペーストである可能性もあります。
「皆が言ってるから正しい」は、誤情報における最も危険な思い込みのひとつです。
見抜き方:
- 拡散数や「いいね」で判断しない
- 独立したソース(例:新聞社、大学機関など)を複数チェック
- 「これは誰が最初に言ったのか?」を調べてみる
6. 陰謀論が含まれている
「政府が真実を隠している」「闇の組織が操作している」といった陰謀論的な話が絡んでくると、一気に信ぴょう性は低下します。
この手の投稿には、差別的な発言や特定の思想に偏った意見が含まれることも多く、過去の投稿を遡ってみると一目瞭然だったりします。
見抜き方:
- 発信者の他の投稿やフォロー関係をチェック
- 偏った思想や差別的な傾向がないか注意
- 専門機関や公共の立場からの情報を優先する
7. クリックベイト(釣りタイトル)に要注意
「これを知らないと人生終わる」「衝撃すぎて言葉が出ない」など、**極端なタイトルや見出しでアクセスを稼ぐ“釣り記事”**にも注意が必要です。
多くの場合、タイトルが派手なだけで中身は薄く、根拠がないことも少なくありません。
見抜き方:
- タイトルだけで判断せず、本文までしっかり読む
- 出典が示されているか、内容が事実に基づいているかチェック
- 「クリックさせたいだけでは?」と疑ってかかるのも有効
8. 専門家ではない人が断定的に語っている
医療、政治、法律などの専門知識が必要な話題を、素人や匿名アカウントが断定的に語っている投稿も多く見かけます。
たとえフォロワーが多くても、専門的なバックグラウンドがない人の主張は鵜呑みにすべきではありません。
見抜き方:
- 投稿者のプロフィールや職業、実績をチェック
- 資格の有無や、実際に現場での経験があるかを確認
- 複数の専門家の意見を見比べる
9. 複数のソースで裏付けが取れない
SNSの投稿ひとつだけで話題になっている情報は、検証されていない「一次的な噂」であることが多いです。
ネット上の誤情報に関する多くの研究でも、「複数のソースで確認できない情報」は信頼性が著しく低いとされています。
見抜き方:
- Google検索やニュースアプリで「他でも報じられているか」を確認
- 信頼できる人や周囲に相談して意見をもらう
- メディアリテラシーを持つ友人の意見も参考に
10. 拡散を促すが、法的・社会的リスクを無視している
「拡散希望」「今すぐシェアして!」などと書かれている投稿には注意が必要です。もし誤情報を拡散してしまった場合、名誉毀損や営業妨害などで訴えられるリスクすらあります。
SNSでは軽く「いいね」「シェア」してしまいがちですが、その一歩に責任が伴うことを忘れてはいけません。
見抜き方:
- 拡散する前に「これは自分が責任を取れる内容か?」を考える
- ファクトチェックツール(FactCheck Navi、Google Fact Checkなど)を使う
- 内容に不安を感じたら、シェアせずスルーが正解
まとめ:SNSの誤情報を見抜く“習慣”を身につけよう
SNS時代に生きる私たちが身につけるべき最強スキルのひとつが、「誤情報を見抜く力」=情報リテラシーです。
今回紹介した10の特徴は、誤情報の“定番パターン”とも言えるもの。ひとつでも当てはまる投稿を見かけたら、まずは立ち止まって冷静に判断しましょう。
- SNSだけに頼らず、身近な人にも相談
- 「信頼できる情報源とは何か?」を常に意識
- 拡散前に、自分の責任を考えるクセを
フェイクニュースを拡散しない、広げない。その小さな一歩が、健全なネット社会を守る力になります。
誤情報に惑わされないあなたでいるために、ぜひこの記事をブックマークしておいてください!