第10位|ポール・マッカートニー
「請求1.25億ポンド → 認定2,430万ポンド。裁判所は冷静だった。」
いくら動いた?
英高等法院の判断は、元妻ヘザー・ミルズの請求1.25億ポンドに対し、2,430万ポンド(約3,000万ドル台)で着地。法廷要旨まで公開され、推定ではない“確定数字”として記録に残った。*「巨額請求→大幅カット」*というドラマの勘所が、判決文の活字で淡々と突きつけられる。ガーディアン+1
離婚の中身(何が起きた?)
審理は公開。裁判官は、婚姻前から築かれたマッカートニーの資産・稼得能力と、婚姻期間中の生活・貢献を丁寧に分けて評価。結果、夫の既得財産を重く見るという英国ファミリー法の王道判断が貫かれ、生活費・住居・子どもの手当を中心に設計された配分に。法廷では妻側の主張に対し、証拠の整合性について相応に厳しい評価も示された。数字の派手さより、ロジックが勝つ——それがこの判決の“面白さ”。image.guardian.co.uk+1
その後(うまく行った?)
“ビートル”は止まらない。巨大ツアー、新作、フェスの主役。伝説は音を止めない。財産分与は痛手でも、音楽IPと現役性が持つ回復力で、ブランドは揺るがず。判定:うまく行った(◯)。
第9位|ハリソン・フォード
「約8,500万ドル。だが“舵”は折れない。」
いくら動いた?
長年のパートナー、脚本家メリッサ・マシソンとの離婚で約8,500万ドルの和解と広く報じられた。ハリウッドでも上位級の高額レンジ。数字だけ見れば強烈だが、ここから“映画スターの物語”は終わらない。People.com+1
離婚の中身(何が起きた?)
長期婚×巨大収入期の清算。結婚期間に積み上がった成功の“どこまでを共有の果実と見るか”。この古典的テーマが争点となったが、対外的に確かなのは総額の水準。詳細条項の多くは非公開で、メディアは概算を報じる——“断定できない部分は断定しない”のがこの案件の読み方。額は大、しかし不確実性も大。People.com+1
その後(うまく行った?)
“インディ”は帰還し、“銀幕の船長”も健在。フランチャイズ復帰や主演作が続き、スクリーンの存在感は不動。現金が大きく動いても、キャリアの継続性(次のヒット/次の契約)がブランド価値を保ち、資産の“回復余地”を作る。判定:うまく行った(◯)。
第8位|ドクター・ドレー
「1億ドルの現金決着。その代わり“核”は放さない。」
いくら動いた?
1億ドル。5,000万ドル×2回払いのプロパティ・セトルメント。18か月におよぶ泥沼ののち、“現金で払って終わらせる”という割り切りに振り切った。音楽界では歴代屈指の高額。People.com+1
離婚の中身(何が起きた?)
最大の争点は婚前契約(Prenup)の効力。条項の有効/無効、範囲、どこまでが共同財産か——法務の綱引きが続いた末のキャッシュ・アウトである。報道ベースでは、権利や主力不動産、事業の多くを維持し、現金で時間と不確実性を買い戻す選択をした構図。アーティストではなく、“企業家ドレー”の意思決定がにじむ瞬間だ。People.com
その後(うまく行った?)
ブランドは巨大なまま。プロデュース、投資、音楽資産からの収益ストリームは続く。現金は出したが“核”は残したので、持続的なキャッシュフローが回復の土台になる。炎上の残り火はあっても、音楽とビジネスの実績が物語を押し戻す。判定:やや苦戦→持ち直し(△→◯)。
第7位|マドンナ
「最大9,200万ドル。女王は“現金を出し”、その足でスタジアムを埋めた。」
いくら動いた?
最大9,200万ドル(約6,000万ポンド)。2008年、ガイ・リッチーとの離婚で**“最大で”**の幅を持つ合意額が広報経由で明らかに。金額はレンジだが、女性アーティストの離婚としても上位級のケタ違い。Reuters
離婚の中身(何が起きた?)
論点は長期婚の清算+生活拠点(英)での分配。資産の多くを保持しつつ、まとまった現金レンジで手打ちにしたのがミソ。双方が**「満足のいく合意」**とする共同コメントでクールダウン、火種を残さない“終わらせ方”を選んだ。ユーピーアイ
その後(うまく行った?)
圧勝。 翌々年以降のツアーは3億0516万ドルを叩き出し、年間北米No.1興行の座も射止めた。離婚直後に**“収益エンジン”を最大出力**。ここがレジェンドの手並み。判定:うまく行った(◯)。ビルボード+1
ここが肝:“現金を払って、不確実性を消す”→“すぐ稼いで埋める”。王道中の王道。
第6位|タイガー・ウッズ
「7.5億ドルは“都市伝説”。実際は約1億ドル規模──それでも戻ってくる男。」
いくら動いた?
約1億ドルが有力報道。かつて流布した**「7.5億ドル」説は誇張で、主要メディアは“3桁ミリオン”**の枠内に収めている(当事者非公表)。金額の“伝説化”と事実の乖離が、この案件のややこしさ。フォーブス+2People.com+2
離婚の中身(何が起きた?)
きっかけは私生活スキャンダル。スポンサー契約・ツアー出場・リハビリ……スポーツビジネスの歯車が一斉に逆回転する中、法的整理は現金で速やかに閉じる方向に。**“額は出すが、将来の稼ぐ力は残す”**のが肝だった。フォーブス
その後(うまく行った?)
V字。 2019年マスターズ制覇で“令和の大復活劇”。PGAツアー通算82勝に到達し、“物語”が価値を呼び戻す好例となった。負傷で波はあれど、象徴性と市場価値は回復。判定:失墜→大逆転(△→◎)。Reuters+1
ここが肝:“現金で畳み、競技で取り返す。” スポーツの神話は二度作れる。
第5位|マイケル・ジョーダン
「1億6,800万ドル。“教科書に載る”高額清算。それでも最後は“勝ち方”を知っている。」
いくら動いた?
1億6,800万ドル。 17年の結婚生活の清算としてスポーツ界屈指の額が広く報じられ、当時の**“史上級”リスト常連**に。離婚自体の公的発表は2006年年末、巨額レンジはその後の信頼媒体経由で定着した。ESPN.com+1
離婚の中身(何が起きた?)
争点は長期婚×ピーク収益期の線引き。公開情報では総額の水準が主情報で、細目は限定的。だが一つ確かなのは、この経験が“次の婚姻”の契約設計に直結したこと──厳格な婚前契約を採用し、**“二度は負けない”**モードへ。ESPN.com
その後(うまく行った?)
経営者モードで“長者”に。 NBAフランチャイズの持分売却で約30億ドルの評価取引を成立させ、資産は再び世界上位のレンジへ。スポーツの“王”は、投資と経営で第2章を制した。判定:うまく行った(◎)。Reuters+1
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